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2008/12/20

ニートにオススメの漫画ーfine.ー

ニートにオススメの漫画その5、
信濃川日出雄
『 fine. 』全四巻
ファイン1ファイン2
ファイン3
ファイン4
ビッグコミックスピリッツ(小学館)にて
全43話、2006年NO.11~2007年NO.4・5合併号まで掲載。
↓作者のブログ
http://blog.livedoor.jp/snngwhdo/


[主人公]

・上杉27歳。経歴:芸術学部を留年・中退
・プライド高、こだわり強、未だ未確立のアイデンティティ
・ネットラジオで心のバランス形成中

[簡易ストーリー説明]

美術大学に通っていたかつての若者達の、その後の人生と葛藤を描く作品。



[細かいストーリー]

美術大学を出て、それぞれ色々な人生を進んだ友人達が、同窓会で再会をする。主人公は大学中退後も、自身のこだわりを貫き、せっかく受けた仕事も、自分の美的感覚で仕上げるため依頼主と喧嘩しうまくいかず、社会人としても芸術家としてもうまくいかない日々を過ごす。自尊心を保とうとするが、ネットラジオを配信して心のバランスを取ったり、貸し個展を開くも中々認められなかったり、揺れ動き、悩み続ける。
他の友達は、似たように中途半端なままの人もいたり、芸術家を辞めて芸術家相手に起業を考えている人もいたり、デザイン会社に就職してる人もいたり、それぞれの道を歩んでいる。
自身のこだわりと、生きるために働くという事、その間で揺れ動く男、上杉を中心にそれをとりまく人々の仕事観や悩み、そしてその後の展開を追う。



[オススメな点]

芸術関係に携わる人だけでなく、多くの人はこの悩みは理解出来るのではないだろうか。「自身のこだわり」と「仕事」のバランス。やりたいように生きてお金をもらって御飯を食べるというのはとても難しい。
主人公は思いっきり「自身のこだわり」を選んで生きている。だけどうまくいかない。そもそも才能があるのかどうかわからない。
このマンガの良い所は、主人公のように「こだわりを選んで生きる」人だけでなく、「生きる為の仕事」を選んだ友人や、「どちらも選べず迷う」友人や、「芸術家を利用した起業」を考える友人など、色々な状態の人を描いている所にもある。
登場人物達は、それぞれ紆余曲折しながらも、やがてそれぞれの道を選んで行くんだけど、これがまた各人バラバラの道を行くので、読者は登場人物の誰かには自己投影する事が出来るんじゃないかと思う。それぞれの道があるんだな~~っと「ある人の場合」として参考にしてみる事をオススメ。

[オススメじゃない点]

コメディタッチや、ユーモラスに描いた漫画ではないので、暗い気持ちの時に読むと暗くなってしまうかも。
また、話が「芸術」を中心に進むので、芸術に対して反感を持っていたり、「興味が無い」と意識をシャットダウンさせてしまうと、自己投影できず「ふーん」って感じになってしまうのでそういう場合はその人にとって良い作品にはならない。
あと、作者の初連載作品なのもあり、全体を通して作品としての芸術度が高いとは言えない。

ニートの中の、
仕事とやりたい事の折り合いがつかず悩む人にオススメな漫画でした。
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2008/12/18

ニートにオススメの漫画ー僕の小規模な生活ー

ニートにオススメの漫画その4、
福満しげゆき
「僕の小規模な失敗」

僕の小規模な失敗
それと
「僕の小規模な生活」


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週刊「モーニング」(講談社)にて連載中。
講談社のモーニング連載漫画紹介公式サイト↓
http://www.e-1day.jp/morning/manga/bokunoshoukibo.html
福満しげゆきの公式サイト↓
http://www.k5.dion.ne.jp/~fukuyuki/index.html

[ストーリー]

主人公:漫画家の卵から、5歳年下の妻に養ってもらい、
    ニートだったりバイトしたり漫画で食えるようになったり、
    自身の半生を漫画にしている。

[作者について]
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福満しげゆき(ふくみつしげゆき)
1976年5月11日生まれ。東京出身。

'97年「月刊漫画ガロ」にて『娘味』(当時の名前:福満茂之)でデビュー。
'05年「青林工藝舎」より単行本『僕の小規模な失敗』が刊行。
'06年「モーニング」にて『僕の小規模な生活』が不定期連載開始。
'07年「漫画アクション」にて『うちの妻ってどうでしょう』の連載開始。
同年「モーニング」にて『僕の小規模な生活』が定期連載になる。
現在連載中の漫画↓
・「アックス」(青林工藝舎)にて『生活』
・「モーニング」(講談社)にて『僕の小規模な生活』
・「漫画アクション」(双葉社) 『うちの妻ってどうでしょう?』
・「ジャンプスクエア」(集英社)にて 『福満しげゆきのANIZO』
・「SPA!」(扶桑社)にて 「小規模な感想文」
・「snoozer」(リトルモア社)にて 『洋楽は知らない!!かと言って邦楽もテレビで流れてるていどのものしか知らない!そんな僕のバンド講座』
その他、イラスト等各雑誌で掲載中。


[個人的に言いたい事]

この漫画は「妻」が人気があるみたいなんだけど、とにかく、うちの姉に似ている。それが気になって毎回見ているのもある。黒髪おかっぱで半笑い顔キープでずんぐりむっくり。食べる時に「もっもっもっ」って言う音がする。
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妻をクローズアップした連載中の漫画もある。
51LBoIrjddL.jpg
うちの姉は「似てるね」っていうとリアクションはあまり良くない。妻萌えの人からすれば褒め言葉なのに、「顔は可愛いけどずんぐりむっくり」っていうのは女性からすれば傷つくのかもしれない。

[オススメな点]

マンガ家の卵から、徐々にマンガで食えるようになっていく作者自身の生活を元ネタに描いていて、自分の体験を元に矮小で卑屈に満ちた心理を描き、そこに共感して、面白かったり、読者が自身を振り返る事ができる。
とくに、「僕の小規模な失敗」では辛い時期とその心理が多く描かれている。

[オススメじゃない点]

「僕の小規模な生活」では、段々売れっ子になっていっている。くすぶり続けたままの方が読むと「ダメなフリしやがってチクショウ!」と思うかもしれない。
また、作者と出版社、編集者の営業戦略に反感を持って読む方には楽しめない作品。それも含めて楽しめる事が出来れば面白い作品だ。
2008/12/18

ニートにオススメの漫画ー俺はまだ本気出してないだけー

ニートにオススメの漫画その3、
青野 春秋
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「俺はまだ本気出してないだけ」
俺はまだ本気出してないだけ1巻俺はまだ本気出してないだけ2巻
現在「月刊IKKI」(小学館)にて連載中。
↓IKKI公式サイト↓
http://www.ikki-para.com/comix/orehamada.html

[ストーリー]

主人公:大黒シズオ、40才。
    妻なし子供あり、父親と娘と3人暮らし。
    会社を辞め「俺マンガ家になるわ」と言い出す。

彼と彼に翻弄される家族の姿を描いたコメディー作品。

[作者について]

青野春秋(あおの・しゅんじゅう)
茨城県出身。

2001年に「スラップ スティック」で『第45回ちばてつや賞ヤング部門 優秀新人賞』を受賞。当時の名前は「椎名 春良」。
(ちばてつや賞受賞者データ↓)
http://chibapro.co.jp/chibatetsuya.html
2005年に「走馬灯」で『第17回IKKI新人賞イキマン賞』受賞。同作がデビュー作品。現在、「月刊IKKI」(小学館)にて『俺はまだ本気出してないだけ』を連載中。


[オススメな点]

実はまだ読んだ事ありません^p^
読んでないのに紹介!ヒャッホオオウ
ニートからオススメをされる鉄板の漫画なようで、
よくこの作品の話を耳にしたので、
今回ご紹介させて頂きました。

どうしょうもないダメな主人公だけど、
本人は悲観的でなく、
逆に家族が困ってしまう姿をコメディタッチで描いているらしい。

重い話を暗く描かずにユーモアに変換して表現すると、
スッと自分の中に入ってくるんですけど、
後々そのストーリーの芯の部分が残って、
考えさせられるものがある、
そういう作品なんでしょうか。
超推測です(笑)

ニートだし買えるかな~~
読んでみたいですね。


ー追記ー

読みました。

[感想]

「コメディ」というジャンルに分類されていたので、
単に面白おかしい作品なのかと思っていたら
そうではありませんでした。
不器用で生き辛さを感じる人、
家族の為に無私で働く父親、
人を人とも思わず自身を見つめる事もない人、
様々な人物が登場します。

コメディ要素が大きいので、
面白く読めますし、人にオススメのしやすい作品だと思いました。
2008/12/17

ニートにオススメの漫画ー闇金ウシジマくん-フリーターくん編ー

ニートにオススメの漫画その2、
真鍋昌平
「闇金ウシジマくんーフリーターくん編ー」

▲フリーターくん編が収録されている単行本3巻▲

[闇金ウシジマくんストーリー]

闇金経営をする丑嶋(ウシジマ)の元に訪れる客と、
それらを取り巻く人々の人間模様を描く作品。
毎回、「○○くん編」と言って、数話ごとにクローズアップされる主要キャラが変わっていく。「フリーターくん編」以外には、「奴隷くん編」「ゲイくん編」「ギャル汚くん編」などがある。

[フリーターくん編ストーリー]

主要キャラ:宇津井 優一(うついゆういち)35才無職
      技術根気コミュ能力なし・ヘルニア持ち

日雇い派遣とパチスロで日銭を稼ぎ、借金を繰り返す。携帯で「鬱ブログ」をつけ愚痴を吐いている。宇津井曰くパチスロは「人生を小出しに賭ける事」であり、日雇いの給料は「俺の人生を削って稼いだ金」であり、サラリーマンは「毎日働いてる奴ってすげー」である。

家を勘当されネカフェ難民になったり、ゲストハウスに入ったり、ホームレスになったり絶望を感じながら孤独の現実を右往左往する。そして日雇い派遣すら雇われなくなる。さらに追い打ちをかけるように、最後の金と携帯をオヤジ狩りに合い盗まれる。残されたのは借金とヘルニアだけ。絶望、何のライフラインもなくなる。そこにポケットに100円玉が残っていた。勘当された親にすがろうと、最後の希望に向かって電話をかけると「母親は入院している」と告げられ…。父親は早期退職し母親は株で失敗多額の借金を背負う。家も失い母は身体を壊して入院する。そこから宇津井はどう展開していくのか…というお話し。

[オススメな点]

まずこの「闇金ウシジマくん」という作品というのは、日本社会の底辺を描き、格差社会の現実を突きつけるメッセージが込められた作品である。連載当初よりも、徐々に作者からのメッセージ性が明確に強くなって来ている。

フリーターくん編では話しの中盤で、主人公はかつての同級生夫婦と偶然に再会するのだが、「主人公をどん底に陥れる展開にする為に幸せな家族像を描く」というありきたりな描写はない。働いて、家庭を持つだけが幸せではない現実を描いている。こういったサブキャラが沢山出てくるのだが、ことごとく皆闇を抱えている。そういった描写をするのがこの漫画である。



(以下オチバレ注意)

主人公宇津井は、今回絶望の淵を見た。食べられない、布団で寝れない、誰からも必要されない状態だった。親へ電話した後、団地に引っ越した実家で飯を食い、人と家の温もりに触れ、宇津井は有り難みを感じ安堵する。そして、両親に過去の事を謝罪した宇津井は奮い立つ。

自分の借金は自己破産し、介護ヘルパーの仕事を始めて親の借金を代わりに支払って行く。日雇い派遣と違い、人間関係の持てる職場は宇津井にとって嬉しい居場所であった。
かつての愚痴の吐き捨て場所だった「鬱ブログ」には「自己破産後、親と同居しながら訪問介護と工場の夜勤で人生の再スタートをした35歳未婚者のつぶやき」というタイトルが添えられた。
一見ハッピーエンドだがしかし、ウシジマの経営する闇金は超暴利である。絶望であった頃と違い、目的意識を持ち、衣食住を手に入れたとしても、彼は幸せと言えるのだろうか、不幸なのであろうか。
そこにあるのは現実のみ。それを幸か不幸かと捉えるのは、読者の主観による。また、宇津井自身が幸か不幸かと感じるかどうかも、宇津井本人の主観による。
一時期、人生の終わりを感じられるシーンがあったが、宇津井はわずかな抜け道を選び進み始めた。持ち駒はもう最低の状態だが、彼は今進み始めている。


[オススメじゃない点]

暴力的で絶望感に溢れている描写があるので、
耐性の無い方には衝撃を与える可能性があります。

慣れてる人にとっては、描写や展開についてもう少しこうしたら良かっただとか色々言いたい部分も出てくるかも。

この漫画自体、他の作品も面白いんだけど
この「フリーターくん編」は、
特にニートにオススメの漫画なのでした。
2008/12/16

ニートにオススメのマンガー花沢健吾ー

ニートにオススメの漫画、今回は
花沢 健吾氏の作品を3つ紹介します。



[なで☆シコ]
こちらのブログに紹介されてます。→プリン味サワー

ビッグコミックスピリッツカジュアルにて2008年、
不定期連載につきまだ1話のみの掲載。

[内容]
男が絶滅種になった世界で、女は男を守る為に軍に入って鍛える。
主人公とヒロインの恋の行方はいかに

[オススメな点]

なで☆シコに関しては完結していないので、どのような作品であったかはまだ振り返られないけども、まず話の冒頭で、いきなりニートがモテている。しかも「キモイの自覚しろよ」と女の子を追い返している。さらに、おとなしめのヒロインが訓練中に女教官から「もっと大きい声で!」と言われ
「わ……、♪私のま○こは日本いちー!!」(米軍の訓練中の歌にのせて)だとか叫ばせられている、そういう世界だ。

最近の日本社会に女尊男卑を感じ不満を抱く作者が、
「もしも男が優遇された世界だったら」を描いている。作者同様に、女性に対して抑圧された思いを秘めて日々悶々と過ごしている方にはオススメに、なるかもしれない、この作品のこれからの展開を期待したい。



[ルサンチマン]全4巻


ビッグコミックスピリッツにて2004年3号~2005年12号まで連載。

[内容]
2015年、30才になった非モテの男達が、
最新のバーチャル美少女ゲームにハマり、
さらに現実と仮想現実が交錯していく世界を描いた作品。

[オススメな点]

ルサンチマンの主人公は丁度30才になった、ビジュアルも救い様のない男である。そしてバーチャルゲーム内の自分と現実の自分のビジュアルの差が酷い。
こちらを見てもらえるとわかる→コミダスー花沢健吾インタビューの記事ー(最後の方まで文章を読むとネタバレがあるので注意)
それがこの漫画の魅力でもある。

「30歳なんだぞ!」と焦り人生に絶望する主人公や、「私にはこの世界しかありません」と言って、ゲームの為に会社を辞めた無職・真性童貞の男が出てきたり、主要人物は現実に対して絶望感を抱いている。漫画タイトルにもなっている「ルサンチマン」とは、強者に対する弱者からの憎悪の感情の事を言う哲学用語である。この漫画は、読者がダメ状態から成り上がる主人公の姿を見て爽快感を感じたりする作品というよりは、作者のルサンチマンを表現した作品と言える。ルサンチマン状態であり鬱屈している読者は、共感する事で感情を解放しルサンチマン状態が少し晴れるかもしれない。それだけでなく、この作品は絶望に溢れ絶望だけに終わる事なく、話中もユーモラスに変換して描かれていて、面白く楽しめる作品でもある。



[ボーイズオンザラン]全10巻

ボーイズオンザラン1jpg
ビッグコミックスピリッツにて2005年~2008年6月まで連載。

[内容]
素人童貞中肉中背弱小企業サラリーマン
である27才の主人公が、
ボクシングを通じて心情が変化していく姿を描いた作品。

[オススメな点]

ボーイズオンザランの主人公は、ルサンチマンから比べると少し読者を意識して、ビジュアルにまだ救いのある27才の男になっている。

こちらの話は仮想現実や、ネットなどの逃げ道は一切存在しない
弱小企業で腹もたるみ気味のこの主人公の行動は、見事に全て空回り、不器用で、ことごとく全て失敗する。しかし、負けっぱなしのままではあるが、本人の中で何かが変わっていくような姿が描かれている。



作者、花沢健吾氏の作品はどれも特徴がある。
主人公は皆、非モテのダメ男。
ルサンチマンについてのインタビューでは「登場人物が、仮想現実のキャラもカッコよければ、現実のキャラもカッコいい。そこに何の意味があるんだろう?」と答えていて、その他にも「僕がカッコイイ人の漫画を描いたらそれはウソになるし、なによりもウソには読者がついていきませんから」 と、花沢氏はのべている。出来の良い人間が成功する姿よりも、出来の悪い人間が右往左往する姿の方が現実味溢れ面白い。そこが彼の作品の魅力であり、読者から支持される理由の一つなのかもしれない。
そして作品全体は、暴力的で下品で現実味を帯びている。この暴力的で下品というのは、非現実的な訳ではなく、現実を忠実に描くとそうなるだけである。ただ、これらの作品は、現実を淡々と描くのはなく、現実が人に与える無情さと人の無力さを強く表現しようとしている、作者の思いが感じられる。



「ルサンチマン」は非現実という逃げ場ありきで現実と対峙し、
「ボーイズオンザラン」は非現実という逃げ場なしで現実と対峙している。

「ニート」を直接的に題材にした作品ではないが、主要の登場人物は会社を辞めたり、クビになったり、ニートであったり、社会の落ちこぼれが多い。その人物たちが、それぞれ「非現実」「現実」世界において、現実・自分・女など何かと闘う姿を描いている。

絶望的な描写があったり、男性キャラのみならず女性キャラへの暴力的な描写もあるので、夢見がちな方や、耐性の無い女性などにはオススメは出来ない

夢見がちな作品に飽き飽きしている方にはオススメ。
それでいて絶望だけでは終わらないので、人にもオススメの出来る漫画だと言える。

ー追記ー
↓だそうです。(字が読めるようにちょっとでかめの画像です)

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